2014年4月7日月曜日

【書評】アイデア・スイッチ

【書名】アイデア・スイッチ
【サブタイトル】次々と発想を生み出す装置
【著者】石井力重
【出版】日本実業出版社
【発行】2009.7.1

 アイデアを生み出すための方法について説明している本。
 例によって、アイデアの出し方についての整理と、セミナーネタとして改めて読んでみた。

 人間の頭には発想を生み出すための「スイッチ」があり、それを上手く使うことによって、人の持つ本来の力を引き出し、たくさんのアイデアを創出できるということを主張している。

 本書では、
発想のための材料を増やす方法
発想のトリガー
100円ショップ・グッズで発想ツールを作る方法
一人ブレストのやり方
創造の手順
などが書かれている。
 特に100均グッズでの発想ツールの作り方は、興味をそそられるのではないかと思う。

 先日、読んだ「アイデアが面白いほど出てくる本」も参考に、発想法の整理をしてみようと思う。

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2014年4月6日日曜日

【書評】君に友だちはいらない

【書名】君に友だちはいらない
【著者】瀧本哲史
【出版】講談社
【発行】2013.11.15

 非常に面白く読めた。
 タイトルからは「一人ぼっちのすすめ」でもしているかのように思えるが、英語でのサブタイトルは
The Best Team Approach to Change the World”.
つまり、今後の世界を生きていくために、どのようにチーム作りをしていくかというようなことが提言されている。

 簡単に言えば、今のように、人材を含めたあらゆるものがコモデティ化している時代には、個人の力で世の中に立ち向かっていくのは難しく、弱者こそ、チーム作りをするべきであるということが書いてある。
 良いチームを作っていく方法について、いろいろと書かれているが、まず、良いチームというのは

  • 少人数である
  • メンバーがそれぞれ補完的なスキルを持っている
  • チームに共通の目的がある
  • 問題解決アプローチが共有されている
  • メンバーが相互に責任を持っている

という特徴があり、そのようなチームを作るために、リーダーは「でかすぎる絵を描き」、それに共感する仲間を集めることが必要であるということが書かれている。
また、多様なメンバーを集めるために、ネットワークの棚卸しを行い、自分自身のラベリング(パーソナルブランディング)を行うことが重要となる。そこには、共感を呼ぶストーリーが必要であり、「公共的な利益」と「ロマンとソロバン」が大切であるというようなことが書いてある。

 チームを形成するメンバーの役割としては、

  • 勇者
  • 魔法使い
  • エルフ
  • ドワーフ
  • トリックスター

というように「指輪物語」や「ハリー・ポッター」の登場人物を例に出して説明されているが、要するに、多様な役割を持ったメンバーがチームを強くするということである。

 本の最後では、今の日本が、これまでの自然発生的な集団(ゲマインシャフト)から、目的を持った集団(ゲゼルシャフト)への転換期にあるというようなことが書かれていて、今後の社会への提言がなされている。

 個人個人のこれからの社会での生き方、会社・組織の作り方など、いろいろな場面でのヒントになることが書かれていて、興味深く読めた。
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2014年4月4日金曜日

【書評】アイデアが面白いほど出てくる本

【書名】アイデアが面白いほど出てくる本
【サブタイトル】これだけは身につけたい16の手法
【著者】高橋誠
【出版】中経出版
【発行】2005.1.5

 イノベーション、発想法のセミナーをすることがあるので、改めて、発想法の整理とイノベーションのきっかけを得るために読んでみた。

 本では、16の手法について説明されている。
 どれも目新しい手法ではないが、それらが体系的に整理されているのは良かった。

 発想法(創法)は、大きく発法と収法に分けられる。
 更に、発法は「自由法」、「強制法」、「類比法」に分けられ、収法は「領域法」、「系列法」に分けることができる。
 16の手法は、それぞれ

★発法
☆自由法

  • ブレインストーミング
  • カードBS(ブレインストーミング)法
  • カードBW(ブレインライティング)法
  • マインドマップ
  • 欠点・希望点列挙法

☆強制法

  • チェックリスト法
  • マトリックス法
  • マンダラート

☆類比法

  • ゴードン法
  • NM法


★収法
☆領域法

  • KJ法
  • ブロック法
  • クロス法

☆系列法

  • フィッシュボーン法
  • ストーリー法
  • カード手順法

というように分類できる。

 本の中では、発想のための場所と道具についても述べられているが、それについては、各個人が自由に考えても良いかもしれない。
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2014年4月1日火曜日

【書評】実戦!問題解決法

【書名】実戦!問題解決法
【著者】大前研一、齋藤顯一
【出版】小学館
【発行】2003.6.10

 かなり前に読んだ本を再読してみた。
 目的は、コンサルスキルの向上と、コンサルティングノウハウの整理。
 本書は、マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントが身につけているコンサルノウハウを整理している本で、PSA(Problem Solving Approach)と呼ばれる問題解決法について説明している。
 PSAは3つの原則と、3つの実践から成り立っている。
 3つの原則とは

  1. 全ての問題は解決できる
  2. What's if ... で考える
  3. 原因と現象の区別をつける

ということ。
 実践は、

  1. 足して100になる考え方(MECE)
  2. 仮説を立てる
  3. 仮説を検証するためのデータの照明

の3つである。

 問題解決のために身につけなければならないスキルは

  1. 取り巻く環境の理解
  2. 効果的な情報収集
  3. データからチャートへの表現方法
  4. フレームワークの活用

の4つとなっている。
 それぞれの詳細について説明がなされているが、
要は何か?
という考え方と、
全体から細部へ
という流れが大切なのだろうと思う。
「要は何か?」というのは、本質をつかむということであり、全体から細部へと考えていくことによって、MECEで考えやすくなる。

 執筆者の一人である大前研一氏の著作である「企業参謀」も読みなおしてみようと思う。
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2014年3月31日月曜日

【書評】不祥事

【書名】不祥事
【著者】池井戸潤
【出版】講談社文庫
【発行】2011.11.15

 「銀行総務特命」に引き続き、読んでみた。
 今度の主人公は、花咲舞。トラブルを抱えた銀行支店を周り指導していく仕事をしている。
 個人的には、「銀行総務特命」よりも読みやすかった。
 納得のできないことに対する花咲舞の言動にはスカッとします。
…が、組織内で、こんな感じでやってたら、結構、疎ましがられるんだろうなぁ…(笑)。
 ドラマの出来にもよるけれども、結構、視聴率取れるかも。


2014年3月30日日曜日

【書評】NLP速読術

【書名】NLP速読術
【サブタイトル】1冊10分で本が読める
【著者】松島直也
【出版】フォレスト出版
【発行】2010.01.17

 以前読んだ本を再読。
 先日、フォトリーディング講座を受講してきたので、そこで学んだことを補完するのと、自分の情報処理能力の向上のために改めて読んでみた。
 結論から言えば、書いている内容(読書法)に関して言えば、フォトリーディングとほぼ同じ。ただし「あなたもいままでの10倍速く本が読める」より、具体的な部分もあるように思う。そういう意味では、補完的な情報を得るという目的は達成。
 特に、NLPを全面に出しているだけあって、心の状態を読書や情報処理に適した状態にする方法に関しては、具体的で説得力もあったように思う。
 たまに読み返してみると良いかもしれない。
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【書評】銀行総務特命

【書名】銀行総務特命
【著者】池井戸潤
【出版】講談社文庫
【発行】2011.11.15

 「半沢直樹」の原作を書いた池井戸潤氏の作品。
(でも、実はドラマは見てないw)
 小説の方は読んでいて、そこそこ面白かったので、4月から、またドラマ化される作品の原作ということで読んでみた。

 銀行の中の不祥事を処理する仕事をしている指宿修平を主人公とした短篇集となっている。
 本書には、

  1. 漏洩
  2. 煉瓦のよう
  3. 官能銀行
  4. 灰の数だけ
  5. ストーカー
  6. 匿名対特命
  7. 遅延稟議
  8. ペイオフの罠

8作品が掲載されている。
 短篇集なので、サクサク読めるが、その後の物語を感じさせるような終わり方は、多分、好き嫌いが分かれるところかなと思う。
 銀行の中の人間関係って、本当にこんなにドロドロなのかなぁ…。
 指宿とコンビを組んでいる唐木怜もいい味出してます。




2014年3月28日金曜日

【書評】あたりまえだけどなかなかできない集客のルール

【書名】あたりまえだけどなかなかできない集客のルール
【著者】岡本士郎
【出版】明日香出版社
【発行】2007.09.30

 集客の考え方、テクニックなどについて、いろいろと書かれている本。
 例によって、コンサルネタと自社の営業力UPのためのヒントを得ることを目的として読んでみた。

 タイトルにある「あたりまえ」という言葉通り、基本的なことについて書いてある。

 集客は「広告」、「口コミ」、「リピーター」の3つから成り、それぞれ「攻めには強いが、コストが嵩む」、「コストはかからないが、マイナス効果もある諸刃の剣」、「攻めには弱いが、守りの要」という特徴を持っている。
 集客にあたって、自社/自店のライバルというのは誰なのか?ライバルはどこ(商圏)にいるのか?自分の商圏外にいるライバルについては考える必要はないなどのことが書いてある。
 最初に書いてある通り「広告」、「口コミ」、「リピーター」のそれぞれに対してのテクニックが書かれている。
 例えば、広告のキャッチコピーは「比較」、「数字」、「逆説」を考える。広告の出口を増やすなどということは、具体的で参考にはなる。ただし、2007年出版ということで、今となっては使いづらいテクニックなども出てくるのは注意。
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2014年3月25日火曜日

【書評】文書管理の基礎知識

【書名】文書管理の基礎知識
【サブタイトル】仕事を円滑に進めるための基本スキル
【著者】ブレインワークス
【出版】カナリア書房
【発行】2009.04.09

 文書管理の基礎について書かれた本。
 すごく薄い本なので、あまり詳しいことが書かれているわけではないが、新人の教育や、あまりガバナンスの高くない会社で、管理ルールを決める時には、ある程度、全体が見渡せるので便利かも。

 文書管理とは「文書を適切に作成し、活用し、管理する」ことであると定義できる。
 文書管理のメリットとしては、

  • 情報共有
  • ノウハウの蓄積・活用
  • 業務効率の向上
  • 仕事の見える化
  • 組織活動の円滑化

などが考えられる。

 本書では、さまざまな事例をあげて、文書管理で気をつけなければならないところについて記載されていて、整理整頓の重要性やファイリング、文書作成ルールの徹底などについて述べられている。
 同じ出版社、著者から出ている本にも書かれていたが、メリットの一つである情報共有は

  1. 収集
  2. 共有
  3. 醸成
  4. 活用

の4段階から成っている。特に「醸成」を通じて、情報の質を向上させることができるということは心に留めておく必要があると思う。
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2014年3月23日日曜日

【書評】自由自在に自分を操る!1分催眠法

【書名】自由自在に自分を操る!1分催眠法
【サブタイトル】ビジネス・人間関係でも効果抜群
【著者】矢澤フレイ伸恵
【出版】すばる舎
【発行】2013.09.08

 「意志が弱い人でも身体が勝手に動く!」という帯が付いていたのに惹かれて購入しました。
 いろいろな人の話を聞いたり、本を読んだりして、最初のうちはモチベーションが上がりますが、なかなか長続きしないということも多いです。
 自分としては、「まずはやってみる」ということを心がけるようにはしていますが、最初の一歩にエネルギーが必要だということは自覚しているので、少しでもそれがスムーズに行くことを期待してこの本を読んでみました。
 目的としては、

  1. モチベーションを上げる
  2. 生活習慣を変える

という2点。

 本の流れは、「催眠の概要」から、その効果、そして、具体的な方法・テクニックへと移っていきます。

 まず、催眠というか、この本のテーマでもある「1分催眠法」では、「意志の強さは無関係」ということが書かれています。これは、僕のような意志の弱い人間にはありがたいです(笑)。
 そして、人生の中で潜在意識に溜め込まれてきた「マイナスのフィルター」が、人を「引き算的思考」に陥らせ、意識や行動がマイナスになってしまうということが説明されています。これを変えていくためには、できることに目を向けていくことが大切なのですが、潜在意識というものは、「同質の情報を集める」という特徴があるので、マイナスの情報が多いと、無理にポジティブな情報を取り入れようとしてもそこにフィルターがかかってしまうというのが、この本の中での説明です。そこで、そのフィルターを外すために(本の中では「自我を休ませる」という表現を使っています)、本書で説明する「1分催眠法」を使うというわけです。

 具体的な説明としては、大きく4つのテクニックが説明されています。
 その4つとは

  1. 1点凝視法
  2. カウントダウン法
  3. イメージ法
  4. 条件反射法(アンカリング)

といった方法です。
 詳細は、本を読んでもらうとして、個人的に参考になったこととしては、「想像力が催眠法の効果を高める」ということでしょうか。
 想像力を高めるトレーニングとして、植物に名前をつけたり、性別を想像したりということが載っていたのですが、それに関係して、ちょっと前に読んだ雑誌の記事の中に「顧客や部下の心中を見抜く共感覚トレーニング」というものが掲載されていました。これは、情報を五感の一つで入力したら、別の五感で出力してみる(例えば、音楽を絵で表現したり、味覚を触覚や音楽で表現してみるなど)というトレーニングです。確かにこのようなトレーニングによって、想像力や表現力は高まりそうです。
 その他、人間関係を良くするための方法なども掲載されていました。

 全体を通して、「催眠法」という言葉を使っていますが、NLPの考え方を用いた実践的な手法の説明のような感じを受けました。
 これまで、NLPの本も何冊か読んでいるので、改めて読んでみて、ビジネスや自分自身のスキルアップのための方法について考えてみたいと思います。
 それと、この本に限らないのですが、新しい情報を取り入れたら、実践してみるのが重要なので、忘れないうちにやってみようと思います。
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2014年3月22日土曜日

【書評】巨大市場

【書名】巨大市場
【著者】深井律夫
【出版】角川文庫
【発行】2013.01.25

 中国を舞台にしたビジネス小説。
 主人公である銀行員の江草は「日中が協力すれば世界最強」という持論で、日本企業の中国進出を支援します。
 日本と中国の商習慣や国民性の違い、文化の違いなどで、すれ違いや対立などがあり、更にはアメリカの投資銀行からの妨害工作などもあり、ビジネス小説として、とてもおもしろく読めました。
 最初に書いた通り、主人公は「日中が協力すれば世界最強」という信念のもとで、仕事をしていますが、その根底には、お互いの文化・国民性を理解し、認め合ってこそ真に協力し合えるということがあるのかもしれません。

 物語は、主人公が新卒向けの就職セミナーで話をするところから始まります。
 その中で
日本人と中国人の間に、信頼関係がない
という言葉が出てきます。また、
嫌いと蔑視は違う。嫌いになるのは個人の自由だが、相手を根拠もなく先入観だけで軽蔑することは許されない
ということも言っています。

 昨今、中国との関係があまり良くない状況であり、中国や中国人に対してあまり良い感情を持っていない人も多いと思いますが、一方で、仕事をするとき、また組織を作るときに重要なことの一つとしてダイバーシティ・マネジメントという考え方があります。
 多様性を用いて、競争を優位に進めるという考え方ですが、それが可能になるためには、相手のことをしっかりと認めるということが必要になってきます。
 日本では、規格化した人間を作ってきた時代が長く続いてきて、それが日本の強さにつながってきた部分もあるのですが、組織として仕事をするときには、お互いの長所をうまく活かし合い、全体として強くなっていくということも重要でしょう。お互いの足を引っ張り合い、1+1が2どころか、0.8とか0.5になってしまうのではなく、3にも4にもなるような相乗効果を出せるような関係になっていければ良いですね。

【書評】銀座で学んだ稼ぐ人のシンプルな習慣

【書名】銀座で学んだ稼ぐ人のシンプルな習慣
【著者】藤田尚弓
【出版】総合法令出版
【発行】2013.04.02

 フォトリーディングのインストラクターをして頂いた藤田尚弓さんの著書。
 著者の藤田さんは、以前、銀座ののクラブでナンバーワンホステスだったそうですが、その時に学んだことをもとに、稼いでいる人たちの習慣について書いてある本です。

 本の構成としては

  1. 銀座で稼ぐ女性のシンプルな習慣
  2. 銀座に集う成功者達のシンプルな習慣
  3. 心に残るあの人の教え

となっていますが、ざっくりと読んだところ、

  • 対人習慣
  • 仕組み
  • 心構え

というように分類できるのかなという感じでした。

 まず最初に、対人習慣(テクニック)としては、「真実よりも相手の受け止め方が大事」ということが書かれています。
 例えば、相手の話に頷くこと。これは、コーチングなどでもよく言われていることのようです。相手に承認されたいという欲求は、結構、強いものです。また、外見に気を遣うということについても書かれていました。見た目の印象って、かなり重要ですよね。自分も、コンサルなんていう仕事をしているので、この辺りはもっと気を遣わなければならないなぁと反省です(というか、よく家の人に指摘されています(笑))。
 聴き方については、
共感→小さな質問→具体的質問→褒め
という順序で話を進めていくということは参考になりました。特に、初対面の人との会話では役に立つような気がします。

 仕組みとしては、「大事なマインドを小さなルールに落としこむ」ということが書かれています。
 心構えばかりを説くのではなく、また、具体的にどのようなアクションにつなげれば良いかわからない人たちのためにもこのようなやり方は、非常に効果があるのではないかと感じました。
 組織づくり、ルールづくりの参考になるのではないかと思います。

 山本五十六の有名な言葉に

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

という言葉があります。具体的にどう動くのか、自ら率先して(あるいは周囲の人たちが自然に)動く仕組みをつくり、具体的なアクションを学ばせ、教えて、褒めていくことによって、人は育っていくのかなという気がしますね。

 また、心構えとしては、
 恩返しをするということ、また面白い考え方としては、「恩送り」というものがあるようで、「してもらったことを次の人に送りなさい」という考え方のようです。
 実は、以前観た映画で「ペイ・フォワード」という作品があるのですが、その映画ともつながる考え方でした(御興味のある方は、観てみて下さい)。
 その他にも、すぐに決断し、実行する習慣を持っている人が多いということも書いてありました。
 これは、僕自身も最近になって、すごく感じているところがあるのですが、特にすぐに実行するということは、すごく仕事が効率的になります。何よりも、忘れてしまうことが無いです。忙しくなるほど、この習慣は効いてきますね。
 もちろん、仕事の優先順位を考えなければならないこともあるのですが、やはり先送りにしてしまわずに、すぐに実行してしまう方が効率が圧倒的に良い気がしています(人に拠る部分もあるかもしれませんが…)。
 この部分とも少し、関わるところがありますが、メモを取る習慣についても書かれています。
 必要な情報について忘れないようにするということもありますが、重要なのは、メモした情報をきちんと活かすこと、検証することです。
 最近は、ビッグデータという言葉が話題になっていますが、ビッグデータではなくても、自分の周りにあるデータをきちんと次のアクションに活かすだけでも、自分の行動が変わってきます。メモというだけではなく、データとしてうまく活用できる仕組みを作っていきたいものです。

 その他、

  • 朝方の習慣
  • 多読の習慣
  • 体力づくり

などさまざまな習慣について書かれています。

 ひとつひとつについては、他の自己啓発本などにも書かれていることが多いですが、著者の体験をもとに書かれていることもあって、具体的なテクニックや説明などが参考になる本でした。
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2014年3月19日水曜日

【書評】新 経営分析の卵

【書名】新 経営分析の卵
【サブタイトル】入門書を読む前に読む本
【著者】小田正佳
【出版】税務経理協会
【発行】2005.06.15

 経営分析を行うための基本的な知識について書いてあります。
 僕は現在、ITコーディネータという資格で仕事をしているのですが、この資格は「ITと経営の橋渡し」という役割を持っています。
 ところが、実際は、この資格を持っている人はITベンダーに属していたり、そこでSEをやっていた人が結構多く、元々、中小企業診断士や会計士などをやっていて馴染みがある人じゃなければ、経営分析には、それ程、強くないという人も少なくないのではないかという気がしています。

 というわけで、今更感もあるのですが、この本を読んでみることにしました(実は、古本屋で安く売ってたから買ってみた(笑))。

 内容は、本当に基本的なことについて書いてあるので、それほど新しい知識が得られたわけではないのですが、

  • 仕事は目的を明確にすることが大切
  • 目的の明確化によって、仕事の優先順位が明らかになる

ということが書かれていました。これは、経営分析に限らず、一般的な仕事を行うときにも、きちんと心に刻んでおかなければならないことですね。
そして、それと同時に経営分析は、仮説を立てることが大切だということも書いてありました。
仮説を立てることができれば、あとは検証の仕方を学べば良いということになります。

 本の中には、仮説立案の留意点と、仮説の検証方法について説明があります。
 仮説立案時に重要なことをまとめると、大きな枠組から、細かい部分を見ていくこと、表面だけを見ないこと、そして、数字と実態の乖離を見つけるということが書かれていました。
 仮説の検証方法についてもいろいろと書かれていますが、その前提条件として大切なことが書いてありました。それは、

「企業活動というのは、『元手』をいかにうまく活用していくか」

ということです。わかっていたつもりではありましたが、改めて気付かされた感じがしました。
 雇われる側と経営者の違いのひとつとして、給与をもらう側はP/Lを気にして、経営者はB/Sを気にするということがあるのではないかと感じています。これは、経営者は、上に書いてあるように、
「元手」をどう活用して自分の資産を増やしていくかを考えているからだと思います。

 本の最初に書いてあるように、経営分析の全体を見渡す時に、このような本の中身を頭に入れておくことは、今後も結構、役に立つのではないかという気がしました。
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【書評】ITエンジニアのための「すごい提案」の組み立て方

【書名】ITエンジニアのための「すごい提案」の組み立て方
【著者】石坂博之
【出版】中央経済社
【発行】2013.0701

 タイトルの通り、IT業界の人向けの、提案の作り方の本。
 自分の仕事としては、情報システムの提案を作るというよりは、RFPを出して提案を審査する側なのだが、最近、色々な提案を見ても、あまり提案依頼側の意図を汲んでくれていないような提案や、依頼側の想定を超える「おっ!」というような提案が少ないので、

  1. 自分自身の提案力向上
  2. 例によって、セミナーネタ集め

の2つを目的として読んでみることにした。

 まずは、企業の投資には「攻めの投資」と「守りの投資」の2種類があり、同様にIT投資にも「攻めのIT投資」と「守りのIT投資」があるという一般論から始まる。
 最近は、クラウド・コンピューティングが広まってきているという背景もあり、BPaaS(Business Process as a Service)という概念のもと、今後、益々、ビジネスがシビアになってくるというようなことが書いてあった。

 第2章では、提案が顧客に受け入れられない例がいくつか提示されているが、突き詰めていくと、どれもお客様視点に立っていない、自分本位の提案になっているということが見えてくる。
 IT投資にもタイミングがあるという説明でも、常にお客様のメリットを考えて提案する必要性について書いてある。

 さて、実際の提案だが、お客様から出てくるRFPの通りに提案すればお客様の問題が解決するなどということはなく、RFP自体に問題があることが多いということが書いてあった。つまり、RFPにはお客様の真の要求が書いていないということが多々あるということである。
 大きくは2つの理由があり、

  • RFPを書くのに慣れていない
  • 何らかの理由により、真の要求が書けない

ということにより、なかなか本当の要求が表面化していないということが書いてある。
 これは、自分も感じていて、理由はともかくとして、RFPを表面的に読み、その裏にある意図がきちんと読み取られていない提案書が多いということは感覚的なものではあるが、事実である。
 まずは、このような隠された意図をきちんと読み取るということが前提なのだが、その上で、きちんとしたコンセプトのもと、提案を進めていくということが書かれている。
 ここでのコンセプトというのは、

  • お客様への利益の約束
  • お客様がどのように利益を得ることができるのか

ということである。これをきちんと提示することにより、訴求力のある提案となる。

 詳細については、実際に本を読んでもらった方が良いのだが、「リスクはチャンス」ということについての記述は、改めて聞くと気付かされる部分があった。
 リスクをなるべく小さくするというのは、気持ちとしてはわかるが、一方で、リスクヘッジの仕方が差別化につながっていくというのも事実である。単にコストとして上乗せするのではなく、別の方法を考えることによって、他社との差別化を図るというのは非常に重要な事だろう。

 ちなみに「リスク」という言葉の語源は、「勇気を持って試みる」ということであり、自ら選んで未来を選択するという意味があるらしい。単に「危険」とか「危機」という意味でだけ捉えると、リスクがチャンスになり得るということがなかなか腑に落ちないかもしれない。

 巻末には、提案を作るためのWBSも掲載されているので、参考にしてみるのも良いと思う。

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2014年3月18日火曜日

【書評】情報共有化の基礎知識

【書名】情報共有化の基礎知識
【サブタイトル】個人スキルを高め、組織で活かす
【著者】ブレインワークス
【出版】カナリア書房
【発行】2008.11.10

 情報共有化について基本的なことをまとめた薄い本。

 情報共有化に失敗する原因、失敗した結果の事例から始まり、情報共有を適切に行うための方法などが簡単にまとめられています。

 本の中では、情報共有化のポイントとして

  1. 収集
  2. 共有
  3. 醸成
  4. 活用

という4つの段階を経るということが書かれています。

 実際の情報共有の方法として、IT活用の事例なども書かれています。 我々のような仕事をしている者から見れば、メールの適切な活用や、グループウェアの活用など、当然と思われることも記載されていますが、実際は、このような簡単なことから始めて行く必要性も感じているので、、これはこれで大切なことなのだろうと思います。

 本の最後には、営業や広報などにも情報共有が役に立つということが述べられていて、このように、メリットをきちんと伝えて組織内の仕組みの整備をしていくことが重要なのかなと思います。

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2014年3月15日土曜日

【書評】PLANNING HACKS!

【書名】PLANNING HACKS!
【サブタイトル】凡人をヒットメーカーに変える企画生産のコツと習慣
【著者】原尻 淳一
【出版】東洋経済新報社
【発行】2007.05.10

 この本もフォトリーディングのセミナーの時に、練習で読んでみた本です。
 コンサルタントとしても、一経営者としても常に新しい企画を考えるということは必要なことであり、また難しいことでもあります。
 この本の中には、サブタイトルにもあるとおり、凡人が次々とヒットを飛ばすために必要なヒントが書かれています。

 読書の目的としては、大きくは、アイディアの出し方についてのヒントを得ること。もう少し細かく書くと、

  1. アイディアを出す方法
  2. アイディアを出すための環境の作り方
  3. アイディアを出すための準備
  4. 企画立案の計画

について学ぶことです。

 この本で、著者が主張していることは大きく2つあります。
 まず1つ目は

「綿密な準備とシステム化」がヒットを生み出す

ということです。
 考えてみれば当然のことで、スポーツでも、日々の練習と、方法論の習得によって結果が出るようになってきます。アイディアを偶然に頼っていては、一発屋としては結果を出すことができたとしても、ヒットの量産というわけには行かないでしょう。
 2つ目は、著者の言葉では

「二段階抽出法」

という言葉で表現されています。
 この言葉が、この本のキラー・インフォメーションであり、結論であると言えるでしょう。その言葉通り、アイディア/企画というものは、いきなり結論を求めるのではなく、2段階で考えることにより、アイディアを誘発しやすくなるという主張です。本の中では「要素を出してから関係を作る」、「量から質へ」、「発想会議と決定会議」など、いろいろな例で語られていますが、どれも二段階にすることによるメリットがわかりやすく書かれています。

準備とシステム化


 著者は、綿密な準備とシステム化によって、企画を作りやすくするという主張をしています。
 準備としては、データベースを整理しておくこと。
 そのデータベースに関しても「材料」としてのデータベースと「型」としてのデータベースの2つに分けられています。著者は、この2つを「変数的データベース」と「代入式的データベース」と呼んでいます。
 「変数的データベース」は、まさに企画を作るときの素材であって、場合によっては鮮度が要求されたりするので、こまめに更新することを勧めています。そのため、本の中では「ケータイを持って街へ出よう」などということが書かれていたりします。
 一方、「代入式的データベース」は、フレームワークや理論、テンプレートといった枠組みのことです。
 これら2つのデータベースを充実させ、組み合わせることによって企画を出しやすくするというのが、著者の主張となっています。企画書のテンプレートとして、本や雑誌から見本帳を作るなどということについても説明されていました。

二段階抽出法


 これが著者の主張であり、結論といっても良いと思います。
 例えば、

  • 要素を出してからそれらの関係を考えていき、情報のメタ化、意味付けをしていく
  • アイディアを発散させてから収束させる
  • 発想会議と決定会議に分けて考える
  • まず手書きで考えてからパワーポイントを使う

などなど。いろいろな例が挙げられています。
 これらは、突き詰めていくと、著者の最初の主張とも関係していると思います。まず、準備を整えてから、目的を達成するための思考・作業を行うということは、企画立案に限らず、さまざまな仕事に応用できるのではないかと思います。

環境づくり


企画を出しやすくする環境についても書かれています。
 例えば、

  • プロジェクトディクショナリを作る
  • ミニ・ライブラリを作る
  • 社内散歩のすすめ
  • 右脳を刺激する場所を作る

などなど。これについても役に立ちそうなヒントが、いろいろと書かれていました。
 最近、あちこちで「イノベーション」という言葉がよく聞かれます。
 日本では、イノベーションが起こしにくいということが聞かれることもありますが、個人的には、個々人の発想力の問題というよりも、環境の問題、特に周囲の評価の問題が大きいのではないかと思っています。そういう意味でも、環境作りは、結構重要なのかなと感じています。

 この本の中で、企画を立てるというのは、美味しいカレーを作るのと同じだという表現がありました。つまり

  1. 素材を集め(情報収集)
  2. 冷蔵庫にストックし(データベース化)
  3. 調理し(グラフ化、チャート化、図解など)
  4. 食べてもらって(プレゼンテーション)
  5. 感想を聞いて(クライアントからの評価)
  6. 足りない材料を集める(情報の再収集)

ということに例えられています。
 美味しいカレーを作るには、データベースとしてのレシピが必要なわけですが、それと同時に食べてくれる人のことを考えなければなりません。
 その人が、どんなカレーが好きなのか?シーフードが好きなのか?ビーフカレーが好きなのか?辛さの好みはどうなのかなど。
 本の中には「母ちゃんのカレーって美味いだろ?それは、母ちゃんがお前のことを一番良く知っているからだ」ということが書いてあります。
 我々もクライアントのことを良く知った上で、企画を立てていきたいですね。
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2014年3月14日金曜日

【書評】あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール

【書名】あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール
【著者】松橋 良紀
【出版】明日香出版社
【発行】2009.01.13

 フォトリーディングの練習も兼ねて読んでみました。
 仕事で、たまにセミナーなどを行っています。
 もちろん、その企画を考えたりすることもあって、企画・内容の補完をすることができないかと、この本を読むことにしました。

 私は仕事上、いろいろな会社からの提案書を読んで、評価することがあるのですが、提案依頼と提案内容が噛み合っていないと感じることもよくあります。もちろん、提案依頼を出す側(情報の発信者)が、うまく自分の意図を伝えられていないということもあるでしょうが、一方で、提案する側(情報の受信者)が、相手の意図を汲み取れていないということもあるのではないかと感じています。
 文章の正しい読み方や、裏にある意図・情報を上手く捉えて、提案をしていく必要があるということは、異論が無いと思いますが、これは、文字として起こされた文書だけではなく、対面でのコミュニケーションにもつながるのではないかという気がしています。

 この本は、NLP(神経言語プログラミング)の技術を応用して、上手く相手とコミュニケーションを取る方法について述べている本です。
 相手と直接対峙して聞くことが基本となっていますので、そのまま全てのテクニックが使えるわけではありませんが、それでも、いくつか、今、考えているセミナーに使えそうなことが書いてありました。

 まず、「ブロッキング」ということについて。
 ブロッキングとは、

  • 思い込み
  • 説教したい、説得したい
  • 自分の意見を言いたい
  • 意見の押し付け
  • 意見を先読みする
  • 自分の興味、関心だけで質問する
  • 自分に都合の良いように整理する
  • 相手を評価したい
  • 常識で考える
  • 「あの人と一緒だ」と考えてしまう

などの要因によって、相手の気持ちや、本当に言いたいことを聞くのを
妨げてしまう心の動きです。
 これは、会話の中だけではなく、文書を正しく読むこととも繋がってくることなのかなという感じがしました。
 「相手の気持ちに立って考える」ということは、よく言われることですが、実際は、上のような心の動きによって、なかなか実践が難しいことだと思います。特に「提案依頼」→「提案実施」というのは、直接対峙していなくても、まさにコミュニケーションの一種であり、相手の意図をきちんと汲み取った上で自分の提案をまとめていかなければ、相手との関係が成り立たなくなってしまいます。そういう意味で、「ブロッキング」の説明は、結構、役に立ちそうでした。

 また、正しく読む方法のヒントとなり得る項目としては「一般化」に注意しなければならないということも書いてありました。
 我々は、よく「みんな○○している」とか「いつも●●している」などというように、物事を簡単に一般化して表現してしまうことがあります。しかし、このように曖昧な記述の場合、具体的にはどうなのか?ということについて確認しておかないと、意識にずれが生じたり、事実とは異なる受取り方をしてしまう可能性が出てきます。このあたりも、ヒントになりそうです。

 更に、文書の読み方というよりは、提案の仕方の方に役に立ちそうなこととして、思い込みを外す方法についても書いてありました。
 我々は、思い込みによって、何かができないと考えてしまうことがありますが、そんな時は、「敢えてやってみたらどうなのか」「もし、そうなったらどうなのか」について考えてみることによって、心理的な制約を外すこともできそうです。

 それと、特定の相手を説得する場合は、話の塊(チャンク)を小さくして説得する。逆に多くの人を相手にする場合は、チャンクを大きくするということが書いてありました。
 これは、特定の人と話をするときには、話をより詳細に、具体的にしていって話を進みやすくする。逆に大勢を相手にする場合は、話を抽象化していって、共通項を作っていくということのようです。これは、提案する相手が、例えば特定の部署の担当者なのか、あるいはより広い範囲に責任を持っている経営者なのかによって提案書の作り方や表現方法を変えるといったことにも応用できそうです。

 NLPを使った話の聞き方についての本でしたが、会話の仕方以外にも、いろいろなヒントが書いてあった本でした。

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